転職活動が重く感じるのは、全体が見えていないからだと思います。
目の前の一歩が、どこにつながっているのか分からない。だから最初の一歩が、実際より大きく見えます。
この章では、始めてから入社するまでの流れを、先に全部並べてしまいます。
7つの段階
転職活動は、だいたい次の順で進みます。
各段階で何をするかを、順にお話しします。
1. 方向を決める
最初にやるのは、求人を見ることではありません。何を取り戻したくて転職するのかを、ひとつ決めることです。
土日の休みなのか、お給料なのか、この先も続けられそうという見通しなのか。この3つは同時には叶いにくいので、どれを優先するかで、探す求人がまるで変わります。
ここが決まらないまま求人を眺めると、どれも良さそうに見えて、どれにも決めきれません。考え方はアパレル販売員を辞めたいの第1節に、方向そのものに迷う方には適職診断を用意しています。
2. 相談先を決める
自分で求人を探すのか、転職エージェントに紹介してもらうのか。あるいは両方か。
相談するのは、辞めると決める前でも構いません。 相談したからといって、転職しなければいけないわけではありません。第3章で扱います。
3. 材料を集めて、書類を作る
職務経歴書の材料は、在職中にしか集められないものが多くあります。個人売上、達成率、店舗の規模、育てた人数。辞めたあとでは取り寄せられません。
この段階は職務経歴書ガイドで詳しく扱っています。
4. 応募して、面接を受ける
書類を出して、通ったら面接です。面接は1回で終わる会社もあれば、2〜3回ある会社もあります。
働きながら進める場合、いちばん時間のやりくりが難しいのがこの段階です。第2章で扱います。面接そのものの準備は面接ガイドにあります。
5. 内定が出たら、条件を確かめる
内定が出たら、承諾する前に条件を確かめます。ここを急ぐと、入ってから話が違うということになります。
- 年収の内訳。月給、賞与、残業代がどういう扱いになっているか
- 試用期間があるか。その間の条件は変わるか
- 年間休日の日数と、休みの曜日
- 勤務地と、異動や転勤の可能性
- 入社日。いまの職場の退職日と、無理なく合わせられるか
聞きにくいことは、転職エージェントを使っていれば担当者に代わりに確かめてもらえます。第4章で触れます。
条件を書面で確かめる手順と、突き合わせる項目の一覧は、第6章にまとめました。
6. 退職を伝える
いまの職場に辞めると伝えるのは、内定を承諾して、入社日が決まってからのほうが安全です。先に伝えてしまうと、次が決まらないまま退職日だけが近づくことになります。
伝え方と時期は、アパレル販売員を辞めたいの第6節にまとめました。引き止められたときのことも書いています。
7. 入社する
入ってからの最初の数か月は、分からないことが多くて当然の時期です。会社によって育成の仕組みがかなり違うので、面接の段階で聞いておく価値があります(面接ガイド 第4章)。
異業種や異職種に移るときの不安の減らし方と、最初の3か月の過ごし方は、異職種・異業界に移るときにまとめました。
期間は、人によって大きく違います
「転職活動は3か月」とよく言われますが、このガイドではその数字を使いません。出どころが分からないうえに、当サイトの取材でも、進み方はまったく違ったからです。
副店長から人材業界へ移った方は、ひとつのエージェントを使い、紹介された求人にどんどん応募する進め方でした。書類を出したのが30社ほど、面接に進んだのが10〜15社、内定は3つの領域から出ています。
新卒1年で辞めて広告営業に移った方は、在職中に活動しましたが、第二新卒の枠で紹介された求人が3社だけでした。受けたのもその3社です。
30社と3社。同じ「転職活動」でも、これだけ違います。どちらが正しいということもありません。
そしてもうひとつ。副店長だった方は、情報を見はじめてから実際に動くまでに、2年ほどかかっています。 その2年、しんどさを抱えたまま止まっていたそうです。早く見はじめたほうが、しんどい時間は短くなります。 見はじめることと、辞めることは、別の行動です。
くわしくは取材記事にあります。
在職中に進めるか、辞めてから進めるか
ここは、人によって答えが分かれます。
在職中に進める場合、収入が途切れないので、焦らずに選べます。条件の交渉もしやすくなります。その代わり、時間が取りにくく、面接の日程合わせに苦労します。
辞めてから進める場合、平日の日中も自由に動けます。その代わり収入が途切れ、決まらない期間が続くと焦りが出ます。空白の期間ができると、面接でそこを聞かれます。
どちらがよいかは、貯えと家庭の状況で決まります。迷ったら、生活が何か月もつかを先に数えてください。 その月数が、辞めてから探す場合の持ち時間です。
当サイトの調査では、100人のうち28人が「在職中で、時間が取れなかった」と答えています。在職中に進める場合の時間の作り方は、次の第2章で扱います。
最初の1週間でやること
全体が見えたら、最初の1週間はこれだけで十分です。
- 何を取り戻したいかを、ひとつ書き出す(休み・お給料・この先の見通し)
- 手元の数字を控える。個人売上、達成率、店舗の年商とスタッフ数。在職中でないと確認できないものから
- 相談先をひとつ決めて、話を聞いてみる(第3章)
- 気になる求人を3件見て、条件を並べてみる(第5章)
どれも、辞めると決めていなくてもできることです。動きはじめることと、辞めることは別だと考えると、最初の一歩が軽くなります。
この章のまとめ
- 転職活動は7つの段階。方向 → 相談先 → 書類 → 応募と面接 → 条件の確認 → 退職 → 入社
- 最初にやるのは求人探しではなく、何を取り戻したいかを決めること
- 内定を承諾してから、退職を伝える。条件は承諾の前に確かめる
- 期間は人によって大きく違う。30社に出した人もいれば、3社だった人もいる
- 在職中か辞めてからかは、生活が何か月もつかで決める
- 見はじめることと、辞めることは別の行動
次の章では、働きながら活動の時間を作る方法を扱います。