定番の質問は、どの業界でも同じです。ここでは、売場にいた人にだけ来る質問を集めました。
どれも意地悪で聞かれるわけではありません。採用する側が本当に分からないから聞いています。
「パソコンは使えますか」
事務や本社職、営業を受けるときは、ほぼ必ず来ます。
「使えます」だけで答えないでください。 それでは何も伝わりません。何の作業に、何を使っていたかで答えます。
- 在庫表の作成と更新に表計算ソフトを使っていた。使った関数まで言えるとなお良い
- 日次の売上を入力し、月次で集計していた
- 発注書やシフト表を作っていた
- 店舗の連絡に使っていたツール
職務経歴書ガイドの第5章に書いた書き方と同じです。書いたものを、そのまま口で言えるようにしておいてください。
触ったことがない場合は、そう言って構いません。そのうえで、いま何をしているか(練習している、資格を取ろうとしている)を添えると、答えが止まりません。
「数字は追えますか」
接客の人は数字が苦手だろう、と思われていることがあります。販売職はむしろ毎日数字を見ている仕事なので、ここは取り返せます。
- 予算と達成率。何か月中何か月達成したか
- 客単価とセット率。店舗平均と比べてどうだったか
- 数字が落ちたときに、何を変えたか
最後のひとつが効きます。達成した話より、落ちたときに何をしたかのほうが、仕事の仕方が伝わります。
数字には、店舗の規模や立地を必ず添えてください。理由は職務経歴書ガイドの第2章に書いたとおりで、条件を添えたほうが正確に評価されます。
「立ち仕事から座り仕事になりますが、大丈夫ですか」
体力の心配ではなく、働き方の落差に耐えられるかを確かめています。
売場は、動いていれば1日が終わります。オフィスの仕事は、自分で段取りを決めて座り続ける時間が長くなります。ここは、実際にやってみないと分からない部分です。
分からないことは、分かるふりをしないでください。 想像で「大丈夫です」と答えるより、売場でも段取りを組んでいた場面(開店前の準備、棚卸し、セールの仕込み)を挙げて、そこと近いはずだと話すほうが、根拠のある答えになります。
「接客に戻りたくなりませんか」
辞めた理由と矛盾していないかを見ています。
ここで「接客は好きでした」と答えるのは問題ありません。むしろ、好きだったものを無理に否定すると、第2章で作った理由と食い違います。
好きだったこと、それでも働き方を変えたいと考えたこと。この2つは両立します。 並べて話して構いません。
「未経験ですが、続けられますか」
未経験で採る側の不安は、入ってから伸びるかどうかです。第1章で触れた取材の2人が評価されたのも、そこでした。
答えるときの材料は、自分で勉強した事実です。大きなことでなくて構いません。
- 商品知識を自分で調べていた
- 販促やSNSに関わってから、本を読んで学んだ
- 資格の勉強をしている
取材した方は、内定が出てから入社までのあいだに営業の本を数冊読んでいます。いま何をしているかを言えると、話が具体的になります。
逆質問は、自分が困らないために使う
最後に「何か質問はありますか」と聞かれます。ここは評価のためではなく、入ってから困らないための時間として使ってください。
聞いておく価値が高いのは、求人票に出ていないことです。
いちばん上は、当サイトの取材でも裏づけがあります。新卒1年で辞めて営業に移った方は、入ってから苦労しなかった理由をこう話していました。
育成環境がめっちゃ整ってたのはすごい大きいかもしれないです
入ってからの苦労は、会社の育成の仕組みでかなり変わります。 求人票には書かれていないので、面接で聞くしかありません。
休みについて聞くのをためらう方が多いのですが、土日休みの仕事に移るにはに書いたとおり、聞き方を選べば失礼にはなりません。 条件ではなく働き方として聞くのがこつです。
この章のまとめ
- 「パソコンは使えますか」には、何の作業に何を使ったかで答える
- 「数字は追えますか」には、落ちたときに何をしたかまで話す
- 分からないことは、分かるふりをしない
- 接客が好きだったことと、働き方を変えたいことは両立する
- 未経験の不安には、自分で勉強した事実で答える
- 逆質問は評価のためではなく、入ってから困らないために使う
次の章は、当日のことです。服装と髪色、写真を扱います。