職務経歴書が書けない原因は、文章力ではありません。手元に材料が無いまま書き始めていることです。
取材した方も、エージェントから最初に言われたのは書き方ではなく、何を書くかでした。
そこの売上実績とかは結構明確に書くようなことは言われてた
あとチームへの働きかけとか
まず材料を集めます。文章にするのはそのあとです。
「自分には数字がない」は、たいてい違います
販売員の方から本当によく聞くのがこれです。ただ、話を聞いていくと数字が無いのではなく、どこを見ればいいか知らないだけであることがほとんどです。
思い出せる範囲で構いません。次のどれかは必ず出てきます。
売上まわり
- 個人売上(月・年)。日報や店舗の集計に残っています
- 予算達成率。「12か月中9か月達成」のような形でも十分です
- 客単価。店舗平均と比べられるとなお良い
- セット率(1人のお客様に何点売れたか)
- 前年比
顧客まわり
- 顧客名簿の登録件数、そのうち再来店につながった数
- 指名や取り置きの件数
- リピート率
店舗まわり
- 店舗の年商規模、スタッフ数
- 担当していた売場の面積や品番数
- 在庫の管理点数、棚卸しの頻度
人と仕組み
- 育てた新人の人数、指導期間
- 作成していたシフトの人数
- 改善した作業と、それで減った時間
数字は、文脈とセットにする
ここが見落とされがちなところです。
数字だけを大きく見せようとすると、かえって信用されません。
取材した方のひとりは、自分の達成率についてこう振り返っていました。配属されたのが大きな店舗ではなく、レベルの高い基幹店やスタッフの多い店とは違ったので、売上を取ること自体がそもそも簡単だったし、目標もそんなに高くなかった、と。
この自己認識は、書類でも面接でも強みになります。 達成率だけを書いた人と、店舗規模まで添えて書いた人では、後者のほうが正確に評価されます。数字を盛る必要はありません。どういう条件下での数字なのかを添えるほうが、結果的に伝わります。
添える文脈は、たとえばこういうものです。
- 店舗の規模(年商、スタッフ数、立地)
- 担当していた期間
- そのときの外部環境(改装、近隣の競合、季節)
- 自分の役職(スタッフか、副店長か)
数字にならない材料も集める
すべてを数値化する必要はありません。取材した方がエージェントに言われたのは、定量でも定性でもよいということでした。効くのは、自分から動いた話です。
- 売場の並べ方を変えた。その理由と、変えたあとどうなったか
- 声かけの仕方を変えた
- 新人向けに手順をまとめた
- 他店舗と情報を共有する仕組みを作った
- SNSや店頭の販促に関わった
小さくて構いません。指示されてやったことではなく、自分で決めてやったことを思い出してください。ここが後の自己PRの中身になります。
集め方
一度に思い出そうとすると出てきません。次の順でたどると出やすいです。
手元に日報や表彰の記録、店舗の売上表が残っていれば、それが一番早いです。退職前であれば、確認できるうちに控えておいてください。 辞めたあとでは取り寄せられません。
この章のまとめ
- 書けない原因は文章力ではなく、材料が無いまま書き始めていること
- 「数字がない」は、たいていどこを見ればいいか知らないだけ
- 数字は文脈とセットにする。店舗規模を添えるほうが正確に伝わる
- 自分から動いた話は、数字にならなくても材料になる
- 在職中に記録を控えておく
次の章では、集めた材料を職務経歴書の文章にしていきます。