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「もっと働きたかったのに」新卒1年でアパレルを辞めた話

この記事は、アパレル販売から異業種に転職された方に直接お話を伺い、ご本人の了承を得て掲載しています。 お名前や勤務先が分からないよう、地名や時期はぼかしています。数年前のお話なので、いまの転職市場とは事情が違う部分もあります。

新卒でアパレル企業に入社し、1年ほどで辞めた方がいます。仮にAさんとします。

辞めた理由は、よく聞く「立ち仕事がつらい」でも「人間関係」でもありませんでした。

もっと働きたかったのに、働かせてもらえなかったからです。

期待して入った会社に、SNSをやる人がいなかった

Aさんは学生時代、2年ほどアパレルでアルバイトをしていました。ただ、その会社はSNSの発信が禁止でした。当時はまだSNSが走り出したばかりの頃です。

だから新卒で入る会社は、意識して選びました。

SNSをちゃんと積極的にやっていて、自分の頑張りが売上にヒットしそうで、それが評価される会社に入ろうと思って、そこに入ったんです

ところが、入ってみると違いました。

結局、実際店舗にいる人たちは全然SNSをやってないし、やろうともしない。会社としては「やって」と言ってるけど、それが全然浸透してなくて

やる人がいないなら自分がやろう、と毎日投稿を続けました。それでも、

店舗ではみんなやってないけど、私は頑張りたいからやらなきゃいけないと思って毎日投稿しているけど、別にそれでも誰も協力的じゃなくて

思っていた会社との差に、早い段階で気づいてしまったといいます。

「今いなくなったら困るから無理」

配属されたのは、地方都市の店舗でした。学生時代に住んでいた場所が基準になったそうです。

本当は基幹店とか大型店でバリバリ働きたかったんですけど、とりあえず1年目はそこに配属になるよと言われて、仕方ないかなと思って働いた

働いてみて、もうひとつ気づいたことがありました。

やっぱり地方の店舗だったので、フルタイマーから実際に社員になったみたいな人が多くて。まず仕事の熱量が全然違う

そこで、異動を願い出ます。大きな店舗で働きたい、と。

返ってきた答えは、こうでした。

「今この店舗から出せない」と店長に言われて。今後大きいところに行きたくて、都市部の店舗に行きたいですと言ったんですけど、「無理。今いなくなったら困るから無理」って言われて

Aさんの当時の反応は、率直です。

いやいや、無理って何?ってなった

そして、こう考えたそうです。

めっちゃ働きたかったんですけど、会社事情で異動させてもらえないってなったら、なんか時間無駄だなって思いました

休みが合わない、服を買い続ける

異動の件が決定打でしたが、それだけではありませんでした。

ひとつは休みです。当時の交際相手とは休みが合わず、年末年始に実家へ帰ることもできませんでした。

もうひとつはお金です。

単純にお給料がやっぱりどうしても安めで。それがしんどかったけど、店頭に立つための服は買わなきゃいけない

社員割引はあったといいます。それでも、

社販はあったんですけど、それでも全然まかなえる金額じゃないから、全然お金たまんない

転職の仕方を、知らなかった

ここからが、いま振り返って一番もったいなかった部分だとAさんは言います。

転職の仕方を知らなかったんですよ。転職活動ってどうやったらいいんだろう、みたいなところからスタートだったんで

エージェントを使うことにしたのも、意図的な判断ではありませんでした。

たまたまマイナビエージェントに登録して、たまたまエージェントというものを使い、たまたまアパレル経験のある人がアドバイザーとしてついただけで。違いも分からなかったから、意図的にエージェントを使ったわけじゃない

検索して、出てきたところに登録した。それだけだったそうです。

多分本当に、転職方法みたいなので検索して、出てきたところにピッて登録したっていう感じだと思います

求人票の言葉も、分かりませんでした。

よくある横文字の職種とかも、どういう仕事をするのかピンとこなかったのが大変だった。カスタマーサポートって何とか、コールセンターのSVとか受けたんですけど、SVって何みたいな、そんなところからでした

在職中に活動し、受けたのは3社だけでした。

当時はもう第二新卒みたいな枠だったので、3社しか求人をエージェントに出してもらえなくて

結果として、Aさんはこう振り返ります。転職はうまくいったけれど、それは奇跡のようなもので、 知っていれば意図的に同じ結果を出せたはずだ、と。

職務経歴書に書いたのは、数字だった

3社しか受けられない中で、Aさんが意識したのは定量的な実績でした。

自分で売ってたんですけど、売上を立てたかったので、定量的な実績が書けたのが大きかった

具体的に書いたのは、こうしたものです。

ここで効いたのが、たまたまついた担当者が前職アパレルだったことでした。

その担当者から、アパレルの経験を職務経歴書や履歴書にどう書くかを教わったといいます。

書けるものは書いてほしいって言われて。そういうのを全部、こういう風なものがあってっていうのを伝えたら、それを丁寧に文章に起こしてくれた

なお、売上がトップだった理由について、Aさん自身の評価は控えめです。

配属先の店舗自体がそんなに大きくなかったので、めっちゃレベルが高い基幹店とか、スタッフがいっぱいいるところじゃないから、売上を取ること自体がそもそも簡単だったし、目標もそんなに高くなかった

SNSの実績より、そこで何を考えたか

毎日投稿を続けたSNSの経験は、選考で評価されたのでしょうか。

答えは、半分だけでした。転職先が広告営業だったこともあり、

あんまりSNSの運用の実績が評価されることはなくて

ただし、評価された部分はありました。

どっちかっていうと、フォロワーを伸ばすために何をしたかのプロセスの部分は、自分で考えてそこまでやったなら、という感じではありました

実績そのものではなく、そこで何を考えて動いたかが見られていた、ということです。 フォロワー数や売上の順位がなくても、話せることはある、と読み替えられます。

入ってみたら、困らなかった

個人のお客様に売るのと、会社に売るのは別の仕事です。見積書や請求書といった書類も、売場では扱いません。

ところがAさんは、入ってからはあまり苦労しなかったといいます。

別に、めっちゃ苦労したっていう記憶はそんなにないです

理由は、はっきりしていました。

私が2社目で入ったところが、すごい人の入れ替わりが早い形態でやっているところだったので、育成環境がめっちゃ整ってたのはすごい大きいかもしれないです

会社選びが効いた、ということです。

もうひとつ、販売の経験がそのまま効いた場面がありました。2社目は新規開拓の営業で、電話を大量にかける仕事でした。

接客を店頭でやってたから、そこに対してのハードルがあんまり高くなかったです。人と喋ることにそんなに抵抗がないっていうのは、今も引き続きで、結構大きかった

年収は、月給で5万円ほど上がり、賞与も増えました。合わせるとおよそ1.5倍です。

売上、働き方、年収。振り返ってどうだったかを伺うと、Aさんは転職してよかったと答えました。 販売の仕事が合っていなかったわけではありません。それでも、変えたことは正解だったということです。

「もっとあるよ」と言われていたら

当時のAさんには、こんな感覚があったといいます。

接客からの転職って、できることがめっちゃ制限される感覚が当時はあった。全然違う職種につけない、自分のスキル的にも、1年しか働いてなかったのもありますが、と思ってたんですけど

いまは、違う見方をしています。

別に、アパレル時代に磨いたことで転用ができる要素はめっちゃ全然あるなって、今となっては思う

具体的には、接客そのものと、数字の扱いです。

接客のスキルが営業力に生きるとか。言っても個人の目標はなきゃいけないっていう中で、目標を達成するための数値管理とか、そのために何をしなきゃいけないとかが考えられること

売場でくり返していたロールプレイングも、いま思えば土台でした。

初めの声かけをどうやってやるかとか、セットで売るためにどういう提案をするかとかは、当時もめっちゃ意識して接客してた

最後に、いま販売員として悩んでいる方に向けて、と伺いました。返ってきたのは、業界そのものについての話でした。

販売員になりたくて販売員になってる人って、めっちゃ少ない感覚があって。販売員しかアパレル系だとやれないとか、選択肢がないから販売やってるとか、本当は本社に行きたいけど今は販売しないといけないから販売してる人が多い

そして、地方にいたことの意味を、こう言いました。

特に地方で働いてたら、そういう人との接点がめっちゃ少ないんで、そういう仕事につけるイメージが全く湧かなかった。普通に、全然違う営業職に転職したっていう感じだったんですけど

「もっと(選択肢が)あるよ」って言われてたら、そうなってなかった

この話から言えること

Aさんの言う「もっと(選択肢が)あるよ」を、どこかで誰かが言ってくれていたら。 この診断は、そのための入口として作っています。

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