面接で必ず聞かれるのが、なぜ辞めるのかです。
そして、いちばん準備が裏目に出るところでもあります。
前向きに言い換えると、そこから崩れます
「新しいことに挑戦したいと思いまして」
よく勧められる言い方ですが、面接官はこの形を何百回も聞いています。だから、ほぼ確実に次が来ます。
- それはいまの会社ではできないことですか
- 挑戦したい新しいこと、というのは具体的には
- なぜそう思うようになったのですか
用意した一文しか持っていないと、ここで止まります。 書類なら読み飛ばされることもありますが、面接では必ず追いかけられます。職務経歴書ガイドの第4章でも同じことを書きましたが、口頭ではその場で来るぶん、より崩れやすくなります。
多くの人の理由は、そのまま話して差し支えありません
当サイトで、アパレルから転職した49人に辞めたきっかけを伺いました。
| 割合 | |
|---|---|
| この先どうなるか(頭打ち・業界の先行き・生活設計) | 57% |
| いまがつらい(心身の負荷・人間関係・給与) | 29% |
いちばん多かったのは、つらさではなくこの先が読めないことでした。
これは、隠す必要のない理由です。会社への不満ではなく、自分の判断の話だからです。集計はアパレルを辞めた49人に聞いた、きっかけにあります。
事実 → 判断 → これから、の順で話す
言い換えるかわりに、順番を決めます。
たとえば、こうなります。
店長に昇格しても、手当と残業代の差し引きで年収はほとんど変わらないと分かりました(事実)。長く続ける前提で考えたときに、働いた分が積み上がる形で評価される場所に移りたいと思いました(判断)。それで、成果の測り方がはっきりしている仕事を探しています(これから)。
気持ちではなく、構造を話しています。 ここが大事なところで、「つらかった」で止めると、うちでもつらくなるのではと受け取られます。同じ内容でも、事実から入ると、判断できる人だという印象になります。
深掘りに耐えるかを、自分で確かめる
出来上がったら、自分に「なぜ?」を3回聞いてください。
- なぜ辞めようと思ったのか → 昇格しても年収が変わらないと分かったから
- なぜそれが問題なのか → 続けても生活が変わらないと分かったから
- なぜいま動くのか → 未経験で採ってもらえる年齢のうちに、と考えたから
3回目まで事実に着地すれば、それで足ります。 途中で「なんとなく」に着地する場合は、答えではなく材料が足りていません。当時の給与明細やシフト表を見返すと、たいてい出てきます。
在籍が短い場合
1年前後で辞める場合、ここは必ず突っ込まれます。隠しても在籍期間は書類に出ているので、先に話してしまうほうが早いです。
当サイトで取材した方のひとりは、新卒1年で辞めています。理由は、よく挙がる立ち仕事のつらさでも人間関係でもありませんでした。もっと働きたかったのに、働かせてもらえなかったからです。
大型店への異動を願い出て、断られています。
「無理。今いなくなったら困るから無理」って言われて
そのうえで、こう考えたそうです。
めっちゃ働きたかったんですけど、会社事情で異動させてもらえないってなったら、なんか時間無駄だなって思いました
短いこと自体が問題なのではありません。 短い期間に何を考え、何を試して、何が起きたのかを説明できるかどうかです。この方は異動を願い出るという行動を先に取っています。それが説明できれば、逃げたのではないと伝わります。
くわしくは新卒1年でアパレルを辞めた話にあります。
言わないでおくこと
正直に話すことと、何でも話すことは違います。
いちばん下が効きます。辞める前に何か試したのなら、必ず言ってください。 何もせずに辞めた人と、動いたうえで無理だった人とでは、受け取られ方がまったく違います。
この章のまとめ
- 前向きな言い換えは、ひとつ深く聞かれると崩れる
- 49人のうち57%は「この先が読めない」。そのまま話せる理由
- 事実 → 判断 → これからの順で話す。気持ちではなく構造を話す
- 「なぜ?」を3回、自分に聞いて確かめる
- 在籍が短い場合は、先に自分から。何を試したかがあれば言う
次の章では、もうひとつ必ず来る「なぜうちなのか」を扱います。