当サイトの100人調査では、こう答えた方がいました。
- どの転職エージェントに相談すればいいか分からなかった:26人
- 相談できる相手がいなかった:19人
ただ、前者の26人のうち25人は、結局エージェントを使っています。 迷っていたのは「使うかどうか」ではなく、どこを、どう使えばいいかでした。
この章では、相談先の種類と仕組みの違いを整理します。どう使うかは、次の第4章で扱います。
自分で探すか、紹介してもらうか
相談先は、大きく2つに分かれます。
自分で探すのが、求人サイトや求人アプリです。求人を自分で検索して、自分で応募します。日程の調整も、条件の確認も、自分で行います。
紹介してもらうのが、転職エージェントです。担当者と面談をして、合いそうな求人を紹介してもらいます。応募の手続き、面接の日程調整、条件の交渉までを、担当者が間に入って進めます。
どちらか一方に決める必要はありません。 当サイトの調査でも、組み合わせて使っている人が多くいました。
転職エージェントは、なぜ無料なのか
知っておくと、付き合い方が変わるところです。
多くの転職エージェントは、紹介した人の採用が決まったときに、採用した会社から報酬を受け取る仕組みで動いています。そのため、相談する側はお金を払わずに使えます。
これは悪いことではありません。ただ、担当者には、早く決めてもらう理由があるということは、頭の片隅に置いておいてください。急かされたときにどうするかは、第4章で扱います。
相談先の種類
| 相談先 | 仕組み | 合う場面 |
|---|---|---|
| 総合型の転職エージェント | 業界を問わず求人を紹介。担当者が応募から交渉まで間に入る | 異業種へ移る。何から始めればいいか分からない |
| 業界特化型のエージェント | アパレル・ファッションの求人が中心 | アパレル業界の中で、本社職や別のブランドへ移る |
| ハローワーク | 国の機関。地域の求人が多い。職業訓練の案内もある | 地元で探す。職業訓練も考えたい |
| 派遣会社 | 派遣社員として働く仕事を紹介する | まず働き方を変えてみたい。正社員とは雇用の形が違う |
| 求人サイト・アプリ | 自分で探して自分で応募する | 自分のペースで進めたい。求人の相場を知りたい |
| 学校・スクール | 授業のほかに、求人や人のつながりを持っていることがある | 業界の中の特定の職種を目指す |
| 知人の紹介 | 働いている人から直接話が来る | 職場の実態を知ったうえで移りたい |
学校は、授業より「つながり」で見る
当サイトの取材で、販売員から事務を経て、いまはアパレル企業のマーケティング部門で管理職をしている方がいます。この方は事務として働きながら、週末にファッション系のスクールへ通っていました。
授業の評価ははっきりしていて、
全然役に立たなかった
とのことでした。それでも通ってよかったと言います。講師として来ていた人から、勤め先でアシスタントを探していると声をかけてもらったのが、業界に戻る入り口になったからです。
学校は、求人やインターンの口を持っていることがあります。授業そのものより、人とつながる場として見ると、評価が変わります。くわしくはアパレル販売員が本社に行くにはにあります。
100人は、どれを使ったか
当サイトの調査で、アパレルを辞めるときに使った転職サービスを伺いました。あてはまるものをすべて選ぶ形です。
| 使ったもの | 人数 |
|---|---|
| 総合型の転職エージェント(いずれか) | 75人 |
| ハローワーク | 27人 |
| 派遣会社 | 7人 |
| アパレル・ファッション専門のサービス | 4人 |
| どれも使っていない | 11人 |
4人に3人が、総合型のエージェントを使っていました。 アパレル販売から別の仕事に移った人の調査なので、業界を問わず紹介してもらえるところが選ばれた、ということだと思います。
ハローワークを使った27人のうち、17人は総合型のエージェントと並行して使っていました。ハローワークだけで進めた人は9人です。
サービスごとの人数は、元アパレル販売員100人が使った転職サービスに載せています。 どこを使ったかで成果に大きな差は出ていない、という結果もそちらにあります。
なお、この設問は「うろ覚えで構いません」とお断りしたうえで伺っています。本人が覚えている範囲の数字です。
1つに決めなくていい
組み合わせ方は、たとえばこうです。
- エージェント + 求人サイト。紹介を受けながら、自分でも求人の相場を見ておく
- エージェント + ハローワーク。地元の求人も並行して見る
- エージェント2社。紹介される求人の幅を広げる
いくつ使うかは、第4章で扱います。
相談できる人がいないとき
19人が、相談できる相手がいなかったと答えています。
売場で働いていると、転職のことを相談できる相手は、思いのほか少ないと思います。
- 職場の人には話しにくい。話が広がる心配があり、引き止めにもつながる
- 家族や友人は応援してくれるけれど、転職の事情には詳しくないことが多い
- 同じ業界の友人は、同じところで迷っている
だから、外の相談先を使うこと自体に意味があります。 転職エージェントの面談は、求人を紹介してもらう場であると同時に、自分の状況を初めて人に話す場にもなります。
相談は、決める前でいい
相談したら転職しなければいけない、ということはありません。
当サイトで取材した、副店長から人材業界へ移った方は、早くからエージェントに登録して、面談はするけれど本格的には動かない時期が続いていたそうです。情報を見はじめてから実際に動くまで、2年ほどかかっています。
その2年を振り返って、この方は「少し早めにやっておくといい」と話していました。相談だけの期間があっても構いません。 見はじめることと、辞めることは、別の行動です。
この章のまとめ
- 相談先は、自分で探す(求人サイト)か、紹介してもらう(エージェント)かで分かれる
- エージェントが無料なのは、採用が決まると会社から報酬が出る仕組みだから。担当者には早く決めてもらう理由がある
- 100人のうち75人が総合型のエージェントを使っていた。ハローワークの27人のうち17人は並行して使っていた
- 学校は、授業より人とつながる場として見る
- 1つに決めなくていい。組み合わせて使う人が多い
- 相談できる人がいないなら、外の相談先を使うこと自体に意味がある
- 相談は、辞めると決める前でいい
次の章では、転職エージェントの使い方を扱います。