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アパレル業界の中で、販売員が次にできる仕事。本社・EC・営業への道と入り方

服が好き。ブランドが好き。お客様と話すのも嫌いではない。

それでも、売場の働き方を、この先も続けられるかは分からない。そう感じている方にとって、選択肢は「業界の外に出る」だけではありません。アパレル業界の中で、仕事を変えるという道もあります。

当サイトの適職診断の5つのタイプのうち、「ブランドを支えたいタイプ」は、この方向です。売場の外から、ブランドを支える仕事に向かいます。

この記事では、業界の中にどんな仕事があるのか、販売からどれくらい近いのか、そしてどうやって入るのかを整理します。入り方には、社内で上がる道と、外から入る道があります。どちらにも、取材で聞いた現実があります。

1. 業界の中にある仕事

アパレル企業の中には、売場のほかにも多くの仕事があります。販売から近い順に並べると、おおよそこうなります。

仕事 中身 販売からの近さ
店舗運営(エリアマネージャーなど) 複数の店舗の売上と人を見る 近い。店長の延長
VMD 売場の見せ方や陳列の基準を作る 近い。売場づくりの経験が直接活きる
EC・SNS運用 ネット通販の運営、発信 近い。商品知識と売れ筋の感覚が活きる
販促・販売企画 キャンペーンや売場の企画 近い。売場の反応を知っている
MD 何をいくつ作り、いくらで売るかを決める 中くらい。売れ筋の感覚は強み、数字の管理が増える
バイヤー 仕入れる商品を選ぶ 中くらい
本社の人事・教育 採用、研修、スタッフの育成 中くらい。店長として育成をしてきた経験が活きる
アパレルメーカーの営業 百貨店や小売店に、商品を卸す 中くらい。会社を相手にする営業になる
生産管理 工場とやりとりし、納期・品質・費用を管理する 遠め。生産の知識が要る。在庫や納期の感覚は活きる
プレス(広報・PR) 雑誌やメディアに取り上げてもらう 遠い。未経験では入りにくい

近いほど、販売の経験がそのまま評価されやすく、遠いほど、その仕事の経験や知識が求められます。 最初の一歩は近いところから、と考えると、道筋が描きやすくなります。

ECについてはアパレル販売員がECに移るにはに、会社を相手にする営業については法人営業への転職で最初に困ることに詳しく書いています。

入り方は、大きく2つあります。

社内で上がる道は、昇格や公募、本社からの打診で移る。会社のことを知っているのが強みだが、本社の枠が少なく、売れる人ほど店から離してもらえない。確かめるのは、過去に何人が本社へ移ったかと、移ったときの年収。外から入る道は、他の会社の近い仕事に応募するか、一度業界を出てから戻る。売場を知っていることが強みだが、経験者が優先されやすいので、近い仕事から入る。確かめるのは、就業場所の変更の範囲と繁忙期の働き方。

2. 社内で上がる道

いちばん分かりやすいのは、いまの会社の中で、本社や本部の仕事に移る道です。店長からエリアマネージャー、そこから本部へ。あるいは社内の公募や、本社からの打診です。

当サイトで取材した、副店長だった方は、店長になるための社内試験に合格した直後、店長になるか、本社のMDになるかを選べる立場にいました。社内で上がる道は、実際に開いていたということです。

ただ、この道には、取材で繰り返し出てきた壁があります。

枠が、とても少ない

販売員から本社のマーケティング部門に移り、いまは管理職をしている方の会社では、社員のおよそ9割が店舗でした。

まず圧倒的にポジションの枠が少ないっていうことと、あと即戦力が欲しいので、やっぱ外から入ってきちゃうことが多い

数少ないオフィスの枠に、新しく一から教える人を入れるより、明日から動ける人を外から採る判断が取られがちだ、という話です。

売れる人ほど、店から離してもらえない

同じ方は、もうひとつの壁を挙げていました。本社に行きたくて売上を立て、名前を覚えてもらうと、

今度逆に店から剥がせなくなるから

売れるから、店に必要とされる。必要とされるから、動かしてもらえない。 頑張るほど動けなくなる、という構造です。

社内で上がる前に、確かめること

社内の道を目指すなら、先に確かめられることがあります。

どれも、社内で聞けば分かることです。店長として本社を考えている方は、アパレル店長を辞めたいにも、昇給と残業代の計算をまとめています。

3. 外から入る道

社内の道が細いなら、外から入るという道があります。

他の会社の、近い仕事に応募する

EC、VMD、店舗運営、販促。販売から近い仕事なら、他の会社の求人にそのまま応募できます。

ここでの強みは、売場を知っていることです。本社に移った方は、雑誌に載った情報を店舗に渡すとき、店舗の人が忙しいなかで手元のスマートフォンからまっすぐ辿り着けるように、ファイルの名前の付け方まで決めたそうです。オフィスしか知らないと「流せば終わり」になりがちなところに、使ってもらって初めて意味があるという、売場にいた人の発想が出ています。

本社の仕事は、売場を支えるためにあります。その売場を内側から知っていることは、オフィスの仕事で強みになります。

一度、業界を出てから戻る

遠い仕事、たとえばプレスのように未経験では入りにくい仕事を目指す場合は、遠回りが必要になることがあります。

本社に移った方は、社内の公募が止まっていた時期に、いったんアパレルとは関係のない会社の事務職に移りました。働きながら週末にファッション系のスクールに通い、そこで講師をしていた人から、勤め先でPRのアシスタントを探していると声をかけてもらったのが、業界に戻る入り口になったそうです。

最初のPRとかは最初にどっかに乗っかっちゃえば、あとは自分で開いていけるんですけど、最初の引っかかりが一番難しいかも

最初の1回さえ入れれば、あとは自力で進める。 問題は、その最初の1回です。社内の枠が閉じているなら、外を経由する道があることを、選択肢に入れておいてください。くわしくはアパレル販売員が本社に行くにはにあります。

4. 「本社なら土日休み」とは限らない

本社の仕事は、土日休みで、立ち仕事から離れられる。そう思われがちですが、そうとは限りません。

副店長だった方が聞いていた本社のMDは、土日休みではあるものの、土日も店舗へ手伝いに行くことがあり、そのうえ残業が重いという話でした。

50時間とか普通に行っちゃって

販売員時代の残業は、20時間ほどだったそうです。そして先ほどのとおり、年収は店長と同じでした。

本社の仕事を探すときは、次を確かめてください。

本社なら土日休みとは限らない。求人票の就業場所の変更の範囲に店舗が含まれていないか。セールなど繁忙期に店舗の応援があるか。残業の実態と年収、固定残業代の時間数。取材では、本社のMDは土日も店舗の応援があり、残業は50時間ほど、年収は店長と同じだった。

変更の範囲の読み方は転職活動の進め方 第6章に、繁忙期の働き方の聞き方は面接ガイド 第4章にあります。

5. 業界に残ると決める前に

業界の中に残る道は、好きなものに関わり続けられるのが、いちばんの良さです。そのうえで、次のことは知っておいてください。

まとめ

自分がこの方向に近いかどうかは、適職診断で確かめられます。「ブランドを支えたいタイプ」が出た方は、この記事の道がそのまま候補になります。

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