ガイド / 異職種・異業界に移るとき

VOL.4 第1章 / 全5章

不安の正体を、分けて小さくする

「新しい仕事が不安」という気持ちは、たいていひとかたまりになっています。

ひとかたまりのままだと、どこから手をつければいいか分かりません。だから、まず分けます。

不安は、5つに分けられる

売場から別の仕事に移る方の不安は、だいたい次の5つに分かれます。

不安の中身 たとえば
仕事の中身 何をするのか、具体的に想像がつかない
道具 パソコンや社内のツールを使いこなせるか
人と社内のやり方 誰に何を聞けばいいのか。会議やメールの作法
評価 何をすれば認められるのか分からない
体と生活のリズム 座りっぱなし、通勤、朝の時間

自分の不安がどれなのかを、ひとつずつ見てください。全部が同じ大きさで怖いということは、あまりありません。

移る前に減らせる不安と、入ってから慣れる不安

5つは、さらに2つに分かれます。

移る前に減らせるものは、仕事の中身と道具です。どちらも「知らない」から怖いので、知る方法があります。

入ってから慣れるものは、人と社内のやり方、評価、体と生活のリズムです。これは入ってみないと分かりません。そのかわり、時間が解決する部分が大きいものです。慣れるまでの過ごし方は第4章で扱います。

不安の正体が分かると、いまやることと、いまはやらなくていいことが分かれます。後者について悩む時間を減らせるだけで、気持ちはずいぶん軽くなります。

仕事の中身と道具は、移る前に減らせる不安。面接や内定のあとに聞く、入社前に触れておくことができる。人と社内のやり方、評価、体と生活のリズムは、入ってから慣れる不安で、時間が解決する部分が大きい。

怖がられている割に、つまずかないところ

当サイトで取材した2人とも、移る前に心配していたのに、実際にはつまずかなかったことがあります。

見積書や請求書といった書類です。

売場では、お会計はレジで完結していました。だから、会社同士のやり取りの書類は、知らない世界に見えます。

けれど、副店長から人材業界に移った方は、こう話していました。

そこは入社してから結構丁寧に教えてもらった

そんなに困らなかったですね

新卒1年で広告営業に移った方も、「めっちゃ苦労したという記憶はそんなにない」と話しています。

書類の書き方は、入社してから教わる前提のものです。 移る前に時間をかけて心配する場所ではありません。

では、実際に手間がかかったのは何だったか。2人が挙げたのは次の2つでした。

どちらも、移る前に少しだけ先回りできるものです。第3章で扱います。

くわしくは、法人営業への転職で最初に困ることにもまとめています。

「自分にできるだろうか」の正体

5つのどれにも当てはまらない不安が、ひとつ残ることがあります。「そもそも自分には、できないのではないか」という気持ちです。

これは、売場での経験を自分で低く見積もっているところから来ていることが多いと思います。

当サイトで取材した、販売員から本社のマーケティング部門に移り、いまは管理職をしている方は、こう言っていました。店舗の仕事をきちんとこなし、機転を利かせていろいろなことに気づいて動ける人なら、

本当言うとオフィスの仕事どこでもできると思う

と。足りないのは能力ではなく、その仕事の知識と、慣れるまでの時間だということです。知識は入れられますし、時間は経ちます。

売場の経験がどこで通じるかは、職務経歴書ガイドや行き先ごとの記事で、具体的に書いています。

この章のまとめ

次の章では、売場からオフィスへ移ると、何が変わるのかを先に見ておきます。